都会の味

まりね

2014年09月21日 22:26




先週、仕事でとあるお客様の自宅を訪問した。
小さいころから中学校までを一緒に過ごした
幼馴染の実家だ。





彼女は都会の大学に進学し、都会で就職し、都会で結婚し、
仕事に、一家の妻として、母として、多忙な毎日を送っているのだと思う。

ここに来ると、いつも小母さんは、私の娘のことを気にかけ
「子供さんに食べさせてあげて」とお菓子や果物を
用意してくださるのだ。

ホントは、いつ帰ってくる孫のことを思いながら用意して
なかなか渡せないでいるお菓子なんだろう。



先日は小母さんが、私宛にと、お土産を手渡してくれた。
きけばその彼女から、帰省の折、私に準備してくれたのだという。


彼女そっくりのお母さんがはきはき彼女のことをしゃべってくれるので、
おしゃべりしながらも、私にはこみあげてくるものがあった。

遠くに住んでいる娘と孫をとても案じているのだ。

田舎にいると、成績優秀な子は都会の大学に行き、就職してしまうと
田舎は遠いところになるのだろう。

たまにしか会えなくて遠くにいるもどかしさもあるのだろうが
それ以上に小父さんと小母さんはそんな彼女を誇りに思っているのだ。

今度はいつ会える、と思いながらも、用事済ませたり
庭木の剪定したり毎日きびきび過ごしている、彼女の実家を後にした。


「小母さんは、あっちのほうのお菓子の味はようわからんわー」
と言って手渡してくれた、こっちのほうじゃ、なかなか買えないお菓子を
父ちゃんと娘と一緒に頂いた。
娘は珍しそうに食べたりなんかして。
ごちそうさま。

なかなか忙しいと思うけど、
田舎に帰ってきたら、連絡おくれよ




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